当院では頸椎椎間板ヘルニアや頚椎症などの手術として、人工椎間板手術を開始しました。
これまで一般的に行われてきた頸椎の除圧固定術には、脊椎が本来持つ可動性(動き)を失う、動きがなくなったことにより隣接椎間に障害が生じる頻度が高い、という短所があります。
それに対し、人工椎間板手術は固定せずに可動性を保つことにより隣接椎間に生じる障害を防ぐ、という考えで開発されました。
日本では人工椎間板手術は2017年に承認されましたが、承認後約1年間の調査期間中は、指定されたプロクター施設でのみ施行可能でした。
最近この調査期間が終了し、『脊椎脊髄外科指導医あるいは認定医』が常勤する施設であれば施行できることになり、当院はプロクター施設以外では『北海道・初』となる認定施設です。
頸椎人工椎間板手術は米国では2007年に認可され、現在では英独仏などの欧州各国のみならずアジアの多くの国々でも実施されています。
最近では、ロックバンド『X JAPAN』のリーダー YOSHIKIさんが頸椎人工椎間板置換手術を受けたこともあり、一般にも注目されるようになりました。
この方法の登場により、頸椎疾患に対する治療法の選択肢が増えましたが、人工椎間板による頸椎運動機能の再建にはインプラントの正確な設置が必要で、
従来の固定術よりも手術手技の難易度が高いといえます。
また患者さんの頸椎が本手術に適応するかどうかの適格な診断が重要で、手術に伴う可能性のある様々な合併症の防止には、頸椎前方手術の十分な経験と本手術方法の熟知が術者に求められます。
2020年2月から本手術方式を実施している鐙医師は、日本を代表する脊椎脊髄外科専門医です。
海外においてもその功績は知られており、本手術方式についても早期から研究を重ね日本での承認・実施に向けて尽力してきた医師でもあります。
鐙医師の診察日は手術、学会出張等で変更になる場合がございます。どうぞお電話でお問合せください。
また当院には、脊椎脊髄外科専門医が多数在籍し、様々な脊椎脊髄疾患治療に対応しています.首や腰の痛み、手足のしびれなどでお困りの患者さんはご相談ください。
参考
『頸椎人工椎間板置換術 適正使用基準』第5版(日本脊椎外科学会・日本脊椎脊髄病学会ワーキングでの修正)、頸椎人工椎間板適正使用基準策定委員会